光のもとでⅠ
 翠、悪いけど、俺は普通の男で翠を異性として好きだと思っている。
 だから、こんな無防備な状態で横にいられると、少し――いや、かなり困るんだけど……。
 嬉しい反面困る事実。
「だから、何をしようとは思わないけど――」
 それは自分を制するための言葉だったかもしれない。
 ……頼むから、俺の前以外でこんな無防備になるなよ。
 寝顔と胸の上下が連動していた。
 呼吸の穏やかさに安堵する。
 しばらくの間、翠の寝息とバイタルを見ながら過ごしていた。
 あと三十分は時間がある。
 俺も少し休んでいいだろうか……。
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