光のもとでⅠ
「くくく」と笑いながら会長にディスプレイを見せられた。
「それ、消去していただけるんですよね」
自分の口元が引きつっているのがわかる。
言っても無駄だという気はしていたが、一応訊いてみたというか、表に出すなという意味をこめて言ったつもり。
「まさかっ! こんな美味しい写真を消去するわけないでしょっ!? それこそ信じられないよ。これは俺の青春メモリアルです! ほら、コーラス部がラストに入るよっ! とっとと戻って」
会長は言うだけ言って跳ねるようにして奈落へと走り去った。
けど、目では別のことを語っていたと思う。
「わかってるってば……」と。
たぶん意図は汲んでもらえた……と思いたい。
「それ、消去していただけるんですよね」
自分の口元が引きつっているのがわかる。
言っても無駄だという気はしていたが、一応訊いてみたというか、表に出すなという意味をこめて言ったつもり。
「まさかっ! こんな美味しい写真を消去するわけないでしょっ!? それこそ信じられないよ。これは俺の青春メモリアルです! ほら、コーラス部がラストに入るよっ! とっとと戻って」
会長は言うだけ言って跳ねるようにして奈落へと走り去った。
けど、目では別のことを語っていたと思う。
「わかってるってば……」と。
たぶん意図は汲んでもらえた……と思いたい。