光のもとでⅠ
 翠の寝顔なんかばら撒かれてたまるか……。
 それを言うなら、自分の寝顔も、だけど。
 自分の失態に嫌気がさす。
 寝ていても人の足音くらい察知しろと思うものの、会長相手では無理だったか、と肩を落とす。
 会長は「気」を自由に操れる。
 気配を消すなんて朝飯前だろう。
 それにしても――。
「まさか寝過ごすとは思わなかった」
 そんな自分が一番信じられない。
 俺、今日ほかに何かミスをやらかしてないよな……?
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