光のもとでⅠ
26~41 Side Tsukasa 04話
コーラス部のラスト、茜先輩のソロが始まるとあたりがしんとする。
声だけで曲が紡がれる。
無伴奏というよりは、歌声自体が伴奏を担っている曲だった。
「涙、拭こうか?」
聞き慣れた声に振り返ると、翠がボロボロと涙を零した状態でモニターを見上げていた。
朝陽に言われたことで自分が泣いていることに気づいたようだ。
「人目憚らず、まぁ、そんなにボロボロと……」
朝陽が翠の頭に手を乗せる。
やめろ……。
途端に腹立たしさを感じ、この感情をコントロールできないものかと考える。
朝陽に下心があるわけじゃない。
わかっていても、ほかの男が翠に触れることを許容できそうにない。
声だけで曲が紡がれる。
無伴奏というよりは、歌声自体が伴奏を担っている曲だった。
「涙、拭こうか?」
聞き慣れた声に振り返ると、翠がボロボロと涙を零した状態でモニターを見上げていた。
朝陽に言われたことで自分が泣いていることに気づいたようだ。
「人目憚らず、まぁ、そんなにボロボロと……」
朝陽が翠の頭に手を乗せる。
やめろ……。
途端に腹立たしさを感じ、この感情をコントロールできないものかと考える。
朝陽に下心があるわけじゃない。
わかっていても、ほかの男が翠に触れることを許容できそうにない。