光のもとでⅠ
 放送委員からの確認事項に目を通し終わり、翠に視線を戻すと意外な人物がいた。
 飛翔に飛竜。それから、飛翔の後ろにいる女は小暮(こぐれ)か?
 三人は中等部の生徒会メンバーだ。
 移動しようと思った矢先、スクエアステージにいる優太から通信が入った。
 それに対応してまた少し時間がかかった。
 何もかも自分の目の届くところに、と思う。
 紅葉祭の進行にしても把握できていないものがあるのは気持ち悪い。
 それが翠に関わるものとなると、気持ち悪いどころかたまらなく苛立たしくなる始末だ。
 この気持ちが恋愛感情の一部というのなら、俺は相当厄介な感情を知ったことになる。
 休憩時間の終わりを告げるブザーが鳴ると、翠の身体がびくり、と動いた。
 そして瞬時に飛翔が動く。
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