光のもとでⅠ
「やーん……見れば見るほどにかわいいわっ! どんなドレスを着せたら似合うかしらね? このピンクのドレスもすてき! 色白だから淡い色のドレスが似合いそう」
 などと、早くも結婚式のドレス選びに話が飛躍する。
「そしたら秋斗はグレーのタキシードか」
 なんて、その話についていける父さんはさすがとしか言いようがない。
 そんなふたりならこの事実をそう受け止めるだろうか。
「あのさ、実のところ司も翠葉のことが好きなんだよね……」
 ふたりの目がキラリと光った。
 なんだかとんでもない方向へ話が飛躍する予感……。
「何なにっ!? すてきな三角関係っ!?」
 紅子さん、あなたはすてきな展開を望みすぎです……。
「そうかぁ、あの司くんも目をつけたとなれば、相当いい子に違いない。秋斗、でかした!」
 父さんはそっちかよっ!?
 ああああああっ! 俺、どうしたらいいっ!?
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