光のもとでⅠ
「ドラムは明、あんたが上がりなさい。やれないとか言わせないわよ? それからピアノはお姫様。そのスコア使っていいから」
 翠は自分に振られるとわかっていただろうに、それでも瞠目する。
「おひい様、助けたいでしょ?」
 翠は唇を強く噛みしめた。
「できることはあるのよ。あとは、やるかやらないか」
 諭すように話すが、言っている内容はかなり厳しいものだ。
 自分で決めろ、と言っているのと変わらない。
 手を放すのか伸ばすのか、それは自分が選べることだと言われていた。
「御園生、諦めて……。この人たち言い出したら聞かないから」
「失礼な」
「失礼ね」
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