光のもとでⅠ
 気づけば演奏は始まっていて、俺は苛立つ心のままに歌っていた。
 なんだってこんなときにこんな歌なんだ……。
 そうは思うものの、ここでバラードではなくて良かったと思う。
 何に腹を立てたところで現状が変わるわけでもこの苛立ちが消えるわけでもない。
 いい加減気づけよ……。
 いや、気づいているなら行動を改めろ、か……?
 人の替えがきくようなポジションを後生大事にしていてどうする?
 その間に「翠の隣」は埋まってしまうかもしれないのに。
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