光のもとでⅠ
 でも、その「わかりやすい優しさ」と「わかりづらい優しさ」をリィの中ではどう結論付けたのかな。
 俺はそれが知りたいよ。

 俺たちはリィがお茶を飲み終えると、戸締りの確認をして図書棟を出た。
 俺とあんちゃんが前を歩き、その後ろを蔵元さんとリィが歩いている。
 話の内容は他愛もないことで、「寒くなりましたね、」「お風邪ひかれませんように」――こんな感じのもの。
 駐車場に着き後部座席と助手席のどちらに座ろうかリィを見ると、「何?」と言う顔をして見つめ返された。
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