光のもとでⅠ
 リィが立つ位置は後部座席のドアの前。
 しかも、運転席の真後ろ……イコール秋斗さんサイド。
 間違っても向こうに回って助手席に座ろうという選択の余地はないらしい。
 これは不可抗力です――。
 心の中で念じつつ助手席のドアを開けると、予想を一ミリも裏切らず、秋斗さんに迷惑そうな顔をされた。
 だーかーらっっっ、不可抗力だってばっっっ!
 物事うまく誘導できるときとそうでない場合があることを是非知っていただきたいっ。
 俺は少しばかり肩身の狭い思いをしながら助手席におさまった。
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