光のもとでⅠ

42~43 Side Yui 03話

 リィに視線を戻すと、口をぽかんと開けきょとんとした顔をしていた。
 けれど、その表情はすぐに改められ、口をきゅっと引き結ぶ。
 見て取れるのは明らかな緊張。
 リィが何も言わないということもあり、司っちは会話の相手が俺だと疑わず、普段どおりの言葉を投げてよこした。
『今、翠の近くにいるんですよね? ……なら、これにかけてくる必要はないと思いますけど? ――用がないなら切るけど』
 秋斗さん、申し訳ない……。
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