光のもとでⅠ
静さんは目が合うと笑みを深めた。
そして、翠葉の顔を覗き込む。
「翠葉ちゃん、私は三十年碧を好きでいたよ? おかしいかな? このとおり、いい年をした大人だが、蒼樹くんや翠葉ちゃんという子どもがいてもずっと好きだった」
そこへ母さんが戻ってくると、
「正しくは二十七年よ」
「おや、そうだったか?」
「そうよ。ここ三年だもの、静から届くバラが赤じゃなくて黄色いバラに変わったの。黄色いバラの花言葉は『変わらぬ友情』でしょう?」
「こういうのは女性のほうが期間をしっかり覚えているものらしい」
バラって……あのバラの送り主は静さんだったのかっ!?
毎年母さんの誕生日にはバラの香りに咽そうになるほどたくさんの赤いバラが贈られてきていた。
そして、翠葉の顔を覗き込む。
「翠葉ちゃん、私は三十年碧を好きでいたよ? おかしいかな? このとおり、いい年をした大人だが、蒼樹くんや翠葉ちゃんという子どもがいてもずっと好きだった」
そこへ母さんが戻ってくると、
「正しくは二十七年よ」
「おや、そうだったか?」
「そうよ。ここ三年だもの、静から届くバラが赤じゃなくて黄色いバラに変わったの。黄色いバラの花言葉は『変わらぬ友情』でしょう?」
「こういうのは女性のほうが期間をしっかり覚えているものらしい」
バラって……あのバラの送り主は静さんだったのかっ!?
毎年母さんの誕生日にはバラの香りに咽そうになるほどたくさんの赤いバラが贈られてきていた。