光のもとでⅠ
 母さんの好きな花はカスミソウと記憶している俺だけど、これだけの分量を贈ってくるとなると、今まで母さんと一緒に仕事をした企業が何か勘違いしているのかもしれない、とそう思っていた。
 普通に考えて、あの分量が個人からの贈り物だとは思えなかった。
 なるほど納得……贈り主が静さんなら可能だろう。
 さすがは藤宮単位。
 静さんは翠葉に「おかしいと笑うかい?」と再度訊く。
 翠葉は半ば呆然としながら、
「いえ……。むしろ、そんなに長い期間想われていたお母さんを羨ましいと思うくらい……」
 その気持ちはわからなくもない。
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