光のもとでⅠ
 誰かひとりに負担をかけるのはこちらとしてもお願いしづらいけれど、それがふたり三人四人と分散されてくれると頼みやすくなる。
 翠葉はというと、俺の隣で不安そうな顔をしていた。
 その様は、まるで初めて登校する小学生のよう。
 そんな翠葉の背を押したのは唯だった。
「ほら、いってらっしゃい!」
 背を押された弾みで一歩踏み出す。
「何かあったらいつでも連絡してきな」
 俺の言葉でさらに一歩。
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