光のもとでⅠ
「翠葉、行こうっ!」
 海斗くんの力強い言葉にもう一歩。
「早くしないとまたギリギリになるけど?」
 司の言葉に頭を抱えたくなったが、翠葉の足はもう一歩を踏み出した。
 エントランスに差し込む光の中を翠葉は歩いていく。
 自動ドアのガラス戸に反射してできた虹色の線を踏み越えて。
 行っておいで……。
 楽しんでくるといい。
 色んなことを体験して、また道がわからなくなりそうだったら――そしたら、またここに戻っておいで。
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