光のもとでⅠ
件名 :姫君の護衛
本文 :今日、警護対象から外れた。
心配をかけてすまなかったな。
以上だ。
「まだわからないの?」
穴が開くほどにガン見してもそれしか書かれていない。
「碧さん、ご教授願えますかね」
「つまり、警護対象から外れたことしか書かれていないあたり」
「――警護対象からは外れた。……けど、警護は外していない?」
まさかと思いながら口にすると、
「私はそう解釈すべきかしらと思ったからこそ、『とりあえずフォルダ』に移したのだけど」
やばい……。
俺、完全に遅れをとった気がする。
涼やかな秋の朝だというのに、俺は手に妙な汗を握った。
本文 :今日、警護対象から外れた。
心配をかけてすまなかったな。
以上だ。
「まだわからないの?」
穴が開くほどにガン見してもそれしか書かれていない。
「碧さん、ご教授願えますかね」
「つまり、警護対象から外れたことしか書かれていないあたり」
「――警護対象からは外れた。……けど、警護は外していない?」
まさかと思いながら口にすると、
「私はそう解釈すべきかしらと思ったからこそ、『とりあえずフォルダ』に移したのだけど」
やばい……。
俺、完全に遅れをとった気がする。
涼やかな秋の朝だというのに、俺は手に妙な汗を握った。