光のもとでⅠ
「本当に覚えてないからひどいっ。静に近づきたいがために私にずっと付きまとってた男を覚えていないのっ!?」
「あーーー……そんなやついたっけ?」
「本当にひどいっっっ。一応かつてのライバルでしょうっ!?」
「うーん……申し訳ないくらいにライバルと言われて思い浮かぶのは静だけなんだよな。ほら、碧さんモテモテだったしね? そんな全員なんて覚えてられないってば」
 静以外の男どもは、基本碧さんが全部自分で撃退してくれてたからなぁ……。
 そんな話をしていると周りがざわつき始める。
 視線を前方にやると、正面から和装の老人と静、それから護衛と思しき人間が歩いてきた。
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