光のもとでⅠ
「ふざけるな。こんな危険因子はとっとと回収に決まってるだろ」
 このあと、どれだけ放送を使って集客緩和を呼びかけても無駄だということが発覚する。
 青木に巡回の足を止めてもらったが、それはなんの意味もなさず、一、二年棟の三階に人が集まりだしていた。
 人だかりはさらなる人を呼ぶ。
『司、そろそろ限界。これだけの人間に囲まれたら警備も難しい』
 突如割り込んだ秋兄の通信に、「了解」とだけ答える。
 大勢の前で地下道は使えない。
 そもそも、一階まで下ろすくらいなら二階からテラス伝いで図書棟へ戻すほうがいいだろう。
 そんな中、青木から奇妙な通信が入る。
< 6,779 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop