光のもとでⅠ
『了解。ほら、姫、戻るわよ? そこの人たちも。藤宮くんに会いに行くなら図書棟』
 青木が誘導してくれるのなら、滝口たちも十分以内に図書棟に着くだろう。
 何が問題かというなら、その場にいるのが本当に翠の中学の同級生なのか、ということ。
 それから、翠が慣れない男と行動を共にすること。
 青木がいるから大丈夫だとは思うが、あれは簾条とは違う。
 簾条ほどには翠を気遣うことはしないだろう。
 昨日の奈落での件を青木が知らないわけはないと思うが、翠の突発的に出る男性恐怖症に対してどれだけの対応ができるかは別。
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