光のもとでⅠ
表情に出ないように細心の注意を払い自己嫌悪に陥っていると、
「本当……?」
こちらをうかがうような声が返された。
「こんなことで嘘をついても仕方ないだろ」
翠の様子を見たところ、引かれてはいないようだった。
こんなことにほっとしているようでは、この先が思いやられる。
そんな自分を奮い立たせ、翠が食いつきそうな話題を口にした。
「それに、今なら藤山の紅葉もきれいな時期」
「本当っ!?」
「だから――」
「あ、うん。嘘つくことじゃないよね?」
違う……。
「本当……?」
こちらをうかがうような声が返された。
「こんなことで嘘をついても仕方ないだろ」
翠の様子を見たところ、引かれてはいないようだった。
こんなことにほっとしているようでは、この先が思いやられる。
そんな自分を奮い立たせ、翠が食いつきそうな話題を口にした。
「それに、今なら藤山の紅葉もきれいな時期」
「本当っ!?」
「だから――」
「あ、うん。嘘つくことじゃないよね?」
違う……。