光のもとでⅠ
「保健室の外は?」
「表には武政がいます」
 警備配置の確認だけ済ませ、保健室に向かった。
 静かにドアを開け、デスク前に座る姉さんに歩み寄る。
「ご苦労さん」
「翠は?」
「バイタルは何も知らせなかったし、遡って見ても血圧にも脈にも異常はなし。今のところはなんで倒れたのか不明」
 そう言うと、翠が寝ているであろうベッドの方へ視線をやる。
 俺は姉さんにかばんを渡すと、翠の顔を見るためにそっとカーテンを開けた。
 顔色は決していいとは言えないものの、蒼白というわけでもない。
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