光のもとでⅠ
「余計なお世話」
「あら、人間らしくなったって褒めてるのよ?」
「それ、姉さんの特技に加えたら? 褒め言葉が褒め言葉に聞こえたためしがない」
「相変わらずかわいくないわね」
「死んでもかわいいとか言われたくないし」
「あら、昨日のステージは――」
「ストップ。その先を口にしたら、今すぐ栞さんに電話して静さんとの結婚の話ばらすけど?」
「……ほんっとにかわいくない」
「至極光栄。それだけはまともな褒め言葉に聞こえる。じゃ、俺戻るから」
 そう言って保健室を離れた。
< 6,815 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop