光のもとでⅠ
この、羽織りたくもない長ったらしいマントだっておとなしく羽織っているというのに……。
「ほら、牙つけろよ。せっかく嵐子が用意したんだからさ」
と、半ば強制的につけられた。
その直後、書架から女子たちが出てきて翠と一瞬目が合ったものの、それはすぐに逸らされる。
「見て見てっ! 赤ずきんかわいい?」
茜先輩がターンして見せれば、会長が「かわいいかわいい」と絶賛する。
その隣では嵐が優太と手をつないでいた。
あれはふたりの世界に入る数秒前だろう。
簾条は俺と同じくらい長いマントを羽織っているものの、それの色は白と赤。
手に持っている王笏にはハートモチーフがついていることから、ハートの女王と見て取れた。
「ほら、牙つけろよ。せっかく嵐子が用意したんだからさ」
と、半ば強制的につけられた。
その直後、書架から女子たちが出てきて翠と一瞬目が合ったものの、それはすぐに逸らされる。
「見て見てっ! 赤ずきんかわいい?」
茜先輩がターンして見せれば、会長が「かわいいかわいい」と絶賛する。
その隣では嵐が優太と手をつないでいた。
あれはふたりの世界に入る数秒前だろう。
簾条は俺と同じくらい長いマントを羽織っているものの、それの色は白と赤。
手に持っている王笏にはハートモチーフがついていることから、ハートの女王と見て取れた。