光のもとでⅠ
いずれにせよ、今はこの手を取ってもらえはしないだろう。
そう思ったとき、
「やっ――」
下げようとした手を両手で掴まれた。
俺はまたしても面食らう。
「……何、本当になんなわけ?」
「……なんでもない。ツカサが、ツカサが困らないのなら、手、つなぎたい……」
イラついていた心がシュウ、と音を立てて鎮火した。
「そのほうがいいと思う。校庭まで距離があるし、ランタンの光を演出するためにあまり外灯をつけてないから。ランタンに気を取られて足元の注意が疎かになる翠は何かに掴まっていたほうが安全」
翠はなんともいえない顔をして、俺が手を引くままに歩きだした。
そう思ったとき、
「やっ――」
下げようとした手を両手で掴まれた。
俺はまたしても面食らう。
「……何、本当になんなわけ?」
「……なんでもない。ツカサが、ツカサが困らないのなら、手、つなぎたい……」
イラついていた心がシュウ、と音を立てて鎮火した。
「そのほうがいいと思う。校庭まで距離があるし、ランタンの光を演出するためにあまり外灯をつけてないから。ランタンに気を取られて足元の注意が疎かになる翠は何かに掴まっていたほうが安全」
翠はなんともいえない顔をして、俺が手を引くままに歩きだした。