光のもとでⅠ
 やられた感が否めない……。
 というよりは、最後の最後で仕組まれた感というか……。
 まぁ、誰に仕組まれなくとも結果は変わらなかっただろう。
 隣の翠をうかがい見る。
 チークくらいなら翠でも踊れるだろう。
 そう思ったとき、ちょうど曲が切り替わった。
「ラスト二曲か……」
 チークダンスはラスト二曲と決まっている。
 俺は横に並んで立っていた翠に向かい声をかける。
「一曲お相手願えますか?」
 翠の目線に合わせるように少し屈むと、翠は驚いた顔をした。
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