光のもとでⅠ
 思い切り下を向いている。
 次の瞬間にはオレンジ色にきらりと光るものが落ちた。
 それは、炎が雫に映ってオレンジ色に光った涙。
「……泣くくらいなら言わなくていいものを」
「ごめんっ、昨日いっぱい泣いたのにまだ泣き足りないみたいで――やだ、どうしよう……。私、顔を洗いに――」
 肩に乗せられた手が浮いた瞬間に、翠の腰を引き寄せた。
 俺との会話で泣いたのなら俺に責任を取らせろ。
 最後まで面倒を見させろ。
 だいいち――。
「そんな顔で離れるな。……泣くならここで泣け」
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