光のもとでⅠ
「座って」
翠を観覧席に座らせ、自分のマントの中に収納した。
ほかの人間から見えないように、自分だけに翠の声が聞こえるように。
「十数える。だから、その間に泣き止め」
「……十じゃ足りない」
篭った翠の声が聞こえた。
それと同時に、声が腹のあたりに響いた気がした。
確かに音は振動して伝わるんだな、なんて当たり前すぎることをいちいち再確認する。
「繰り返し数えてやるって言っただろ。壊れるたびにリカバリーしてやるって……。保証期間は俺が死ぬまで半永久的。忘れたとは言わせない」
これは記憶をなくしたあとの出来事。
翠を観覧席に座らせ、自分のマントの中に収納した。
ほかの人間から見えないように、自分だけに翠の声が聞こえるように。
「十数える。だから、その間に泣き止め」
「……十じゃ足りない」
篭った翠の声が聞こえた。
それと同時に、声が腹のあたりに響いた気がした。
確かに音は振動して伝わるんだな、なんて当たり前すぎることをいちいち再確認する。
「繰り返し数えてやるって言っただろ。壊れるたびにリカバリーしてやるって……。保証期間は俺が死ぬまで半永久的。忘れたとは言わせない」
これは記憶をなくしたあとの出来事。