光のもとでⅠ
「翠、とりあえず逃げるから」
 俺は翠の手を掴み、引き上げるようにして階段を上った。
 会長に限ってあの写真を表に出すとは思っていないが、万が一ということもある。
 とりあえず、ルールの概要くらいは知らされてしかるべき。
 俺は即座に通信を入れた。
「会長、どんなルールですか」
『掴まらずに図書棟へたどり着けたら君らがウィナーってことで』
 たったの一言で通話を切られた。
「翠、とりあえず校舎裏っ」
 表から行くよりも裏の方が木々が多い。
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