光のもとでⅠ
『今からこのインカム桃華に持たせるから』
 そのあと、すぐに簾条の声が聞こえてきた。
『これから私の不愉快極まりない声ばかりが聞こえてくるでしょうけど、インカムからどす黒いオーラだけ電波に乗せてよこすのだけはやめてよね』
「残念だな。電波に不機嫌オーラを乗せられるものなら、寿命が縮まりそうなほどに送ってやれるのに」
『藤宮司、言葉の使い方には気をつけたほうがいいわよ? 陽動作戦の指揮をとっているのは私なの。つまり、私の一言で藤宮司のもとに全校生徒を誘導することも可能ということ。そんな状況をおわかりかしら?』
 勝ち誇ったかのような声に、簾条の高慢な笑みが脳裏に浮かぶ。
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