光のもとでⅠ
「別に、千里が誰に向けて何を歌おうが俺には関係ない」
「相変わらず余裕なんですね」
 飛翔は中等部のときに見たことのある、あどけなさが残る笑顔を見せた。
 だが、俺に余裕があるわけではない。
 翠に関してはいつだっていっぱいいっぱいだ。
「飛翔、俺の真似なんかしているとあとで痛い目を見ることになる」
 主に恋愛方面で……。
「そんなことありません。もし、藤宮先輩と同じ痛い目に遭うのなら、同じようにそれを切り抜けるのみです」
「……忠告はした。あとは勝手にしろ」
「そうします」
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