光のもとでⅠ
 けど、俺たちはただ並んで歩いているだけ。
 そこに会話は存在しない。
 翠は俺の好きな相手を知ってどう思っただろう。
 あんな行動に出た俺をどう思っているだろう。
 それを訊くことは困らせることになるのだろうか……。
 わかることといえば、避けられてはいないということ。
 気持ちを伝えたあとでもこうして普通に隣を歩いてくれている。
 気づけば俺は翠に訊いていた。
「何を考えている?」
 答えはすぐに返ってきた。
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