光のもとでⅠ
「何をどこから夢と勘違いしようとしているわけ?」
「……あ、鬼ごっこ大会の途中の出来事――私、どこから起きてた、かな?」
 ようやく俺を見た翠はそんなことを口にした。
「……寝ていたのはほんの十分弱。少なくとも、アリスの夢じゃないって俺に否定したところからは起きていたものと解釈してるんだけど」
 何これ……何確認の会話?
「私……キス、された?」
 それが「夢か現実か」の疑問本体?
「……した。それに、恋愛の意味での好意とも伝えたけど?」
 言うまでにどれだけ時間がかかったと思ってる?
 それを「夢」で片付けられるなんてごめん被る。
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