光のもとでⅠ
『でも、タロちゃんが言ってた美少女さんに会えなかったのが残念ーーー。美人さんはいたんだけどねぇ? タロちゃんが違うって言ってた』
 タロちゃんことヤマタロは俺が入院しているときに友達になった山田太郎。
 今、双子とヤマタロは支倉にある同じ高校へ通っている。
 高校に入学して間もない頃、ヤマタロに御園生のことをうっかり話してしまった俺は、四月からずっと紅葉祭のプラチナチケットをよこせと言われていた。
 それを聞きつけた柊と聖が便乗し、三枚のチケットは早々に押さえられていた。
 クラスで見た美人とは、きっと簾条のことだろう。
 これは今日あった出来事――。
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