光のもとでⅠ
「たぶん、その校舎は一、二年棟だと思う。で、二階が俺たち一年の教室。三階が二年の教室で催し物満載の棟なんだけど……」
 説明すると、携帯ではなくインカムに通信が入った。
『一、二年棟に客集中。実行委員、すぐ中庭に臨時イベント出して』
 あぁ、聖たちはまさにその中にいるわけだ。
 身長が百四十センチの柊にはさぞかしつらいことだろう。
 あいつ、人酔いするのに大丈夫なのかな?
「聖、そこ、今校内で一番混雑してるところらしい」
 携帯に向かってそう話すと、
「柊がくたばりそうだから、そろそろ離脱かなぁ?』
 追加で聞こえてきたのは柊の声。
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