光のもとでⅠ
 俺たちだって一緒にいたいと思ってる。
 いつもいつも御園生だけがつらい思いをしているわけじゃない。
 俺たちだって御園生がいなくなることはつらいんだ。
 こういうの、どの学校でも「同じ」とはいかないと思う。
 この学校の一年B組ってクラスだから言えること。
 三十人から「ひとり」がいなくなるのは結構大きい。
 少人数編成だからこそ「ひとり」の重みが増す。
 クラスが仲良くて連帯感があればあるほど、「一」がもつ意味は深まるんじゃないかな。
 だからさ、中学のときとは違うんだ。
 御園生ひとりが寂しい思いをするわけじゃない。
 クラスみんなが「物足りない」「人が足りてない」って悲しがる。
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