光のもとでⅠ
「ほら、口も漱いじゃいな」
「ん……」
「吐き気止め飲む?」
 問いかけに頷くと、唯兄はピルケースから薬を出してくれた。
「熱、帰宅時よりも上がってる。今、三十八度二分」
 枕元に置いてあった携帯を見せられ、表示された数字に唖然とする。
 知恵熱……かな。
 この二日間、色んなことがありすぎたから、疲れと知恵熱の両方かもしれない。
 お母さんは洗面気を持って、蒼兄は冷却シートを持って入ってきた。
 唯兄は蒼兄からそれを受け取り、私の額にピタリと貼ってくれる。
「今は休もう?」
「ん……」
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