光のもとでⅠ
 そのあと、戻すことはなかったけれど、頭や身体の節々が痛くて、熟睡ができる状態ではなかった。
 熱からか、呼吸が上がって苦しい。
 気づいたら、窓の外が明るくなっていた。
 意識がある状態で目にできたのはそれが最後。
 あとは、朦朧としていてほとんど覚えていない。
 私は四十度を超える熱を出し、翌朝には病院へ運ばれた。
 まさかのインフルエンザ発症。
 そして、次にこの部屋に戻ってきたとき、「記憶」が戻っているなんて思いもしなかった――。
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