光のもとでⅠ
まだ人影のない階段を上りながら、私は無意識のうちに訊いていた。
「桃華さん……生徒会のお仕事ってしばらくはないのかな?」
「……そうね? 仕上げは先週の水曜日に会長が学校長に提出したから、あとはそれに学校長の捺印をもらえれば全工程を完了できるわ。でも、どうして?」
「……あ、理由は話せないのだけど、ちょっと学校外の予定で忙しくなりそうだから……」
写真のお仕事があってホテルへ行かなくちゃいけないのも本当だけど、心の大半を占めているのは別のこと。
生徒会の仕事がなくてほっとするのは、ツカサや秋斗さんに会う可能性が低くなるから。
嘘をついてもつかなくても、後ろめたくなるような「想い」を隠してしまうと、なんともいえない罪悪感を感じるのだと知った――。
「桃華さん……生徒会のお仕事ってしばらくはないのかな?」
「……そうね? 仕上げは先週の水曜日に会長が学校長に提出したから、あとはそれに学校長の捺印をもらえれば全工程を完了できるわ。でも、どうして?」
「……あ、理由は話せないのだけど、ちょっと学校外の予定で忙しくなりそうだから……」
写真のお仕事があってホテルへ行かなくちゃいけないのも本当だけど、心の大半を占めているのは別のこと。
生徒会の仕事がなくてほっとするのは、ツカサや秋斗さんに会う可能性が低くなるから。
嘘をついてもつかなくても、後ろめたくなるような「想い」を隠してしまうと、なんともいえない罪悪感を感じるのだと知った――。