光のもとでⅠ
『悪い、寝てた?』
「あ、わ……違う。携帯、部屋で鳴ってて、私、お風呂入ってて……」
『あぁ、そういうこと……。で、休んでた分の授業内容、なんとかなりそうなの?』
「うん、大丈夫」
『文系もくまなく?』
「……鋭意努力中」
『明日、部活のあとでよければ見るけど?』
「いいっっっ。部活後で疲れてると思うしっ」
『翠の勉強を見るくらいなんてことはない』
「やっ、あのねっ、ノート、すごく丁寧に書かれてるからひとりで大丈夫っ」
『俺が教えたほうが効率いいんじゃないの?』
「それは――」
『翠のことだから三日かけてやるつもりだろうけど、俺が教えたら一日くらいは短縮できると思うけど?』
 言われていることが的を射ているだけに反論ができない。
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