光のもとでⅠ
「いらっしゃい」
 まるで来ることがわかっていたかのように出迎えられて驚く。
 どうして……?
 その疑問に答えるように秋斗さんが口を開いた。
「仕事部屋から、翠葉ちゃんがこっちに向かって歩いてくるのが見えたんだ」
 その答えにひとり納得していると、秋斗さんの視線は私の持つ手提げ袋に移動する。
「ジャケット、かな?」
「はい。お返しするのが遅くなってしまってすみません……」
「そんなことないよ。まだ持っていてもらってもかまわなかったんだけどね」
「……え?」
「ほら、そうしたら俺が翠葉ちゃんを尋ねる口実になったでしょ?」
 秋斗さんはいたずらっぽく笑ってこう続けた。
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