光のもとでⅠ
玄関で靴を履くと唯兄と鉢合わせる。
「あれ? リィ、どこ行くの?」
「秋斗さんのおうち」
「……勉強を教えてもらうって感じじゃないね?」
「うん……ハンカチを返しに行くだけ」
「……ハンカチ? でも、秋斗さん今来客中だけど?」
「大丈夫。……ドアポストに入れてくるから」
「……もしかして最初からそのつもりだった?」
私はその質問に答えない。
「ふーん……最近はリィが何を考えているのかよくわからないや。でもひとつ――余計なお節介かもしれないけど、秋斗さんがジャケットのあとにハンカチを貸したっていうのはさ、リィにまた会いたいってことじゃないの?」
「あれ? リィ、どこ行くの?」
「秋斗さんのおうち」
「……勉強を教えてもらうって感じじゃないね?」
「うん……ハンカチを返しに行くだけ」
「……ハンカチ? でも、秋斗さん今来客中だけど?」
「大丈夫。……ドアポストに入れてくるから」
「……もしかして最初からそのつもりだった?」
私はその質問に答えない。
「ふーん……最近はリィが何を考えているのかよくわからないや。でもひとつ――余計なお節介かもしれないけど、秋斗さんがジャケットのあとにハンカチを貸したっていうのはさ、リィにまた会いたいってことじゃないの?」