光のもとでⅠ
「あ……夕飯っ、昨日の夜、夕飯食べすぎて胃もたれしてるだけ」
「……ふーん。らしくないことしてるからじゃないの?」
 ツカサの言葉は心臓に悪い。
「らしくないこと」が何を指すのかを考えるだけで胃が痛くなる。
「うちのクラス、五限移動教室だから……」
「……だから? ソレ、そのまま持っていくと自分で返しに行くことになるけど?」
「ソレ」とは、ジャケットのこと。
 でも、これをツカサにお願いすることはいったい何を指すだろう?
 ツカサだけではなく、秋斗さんをも避けてることに気づかれてしまわないだろうか。
 それとも――さっきの一言を聞かれた時点でアウトだろうか。
 私は無意識のうちに両腕で自身の身体を抱きしめていた。
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