光のもとでⅠ
「これ、もしかして秋兄の?」
 特教棟の廊下を歩いていると、海斗くんにツンツンとジャケットを引張られた。
「あ……そう、なの」
「そっか。司の不機嫌はこれのせい?」
「……たぶん、違う」
 ツカサが不機嫌なのは私が嘘をついたからだ……。
 ツカサの中で今の私は信用には足りない人間――。
 これ以上嘘をつきたくない。
 でも、嘘をつかない自信もない。
 もう、どうしたらいいのかわからない――。
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