光のもとでⅠ
「翠葉、ここに座り込んでるほうがみんな心配する」
 耳元で海斗くんにそう言われた。
 私はその言葉に小さく頷いた。
 海斗くんの言うとおりだ。
 早くみんなが安心する場所に身を移すほうがいい。
 それに、今は何を話すこともないかと思って、海斗くんの好意に甘えることにした。
「翠葉、黙って聞いて?」
 海斗くんはズンズンと歩きながら話しだす。
「司と秋兄のことで何かあったろ?」
「っ……!?」
「翠葉、落ち着いて? 何も喋んなくていいから聞いてて。……その件に関して俺らからは何も訊かないから安心していいよ。ただ、翠葉が話してくれるなら聞く。だから、つらくなってどうしようもないときには声かけて? 俺らはさ、司でも秋兄でもなく、翠葉の味方。そこだけわかっといてよ」
「ごめん……」
 それしか言えなかった。
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