光のもとでⅠ
「あのっ、紅葉祭のとき、お弁当ありがとうございました。とても美味しかったです」
「こちらこそ、いつも司たちと仲良くしてくれてありがとう」
 真白さんはとても嬉しそうに話す。
「お弁当、お口に合ったみたいで良かったわ。――でも、確か日曜日に司が連れてくるって言っていた気がするのだけど……」
「すみません。私の都合で……」
「……?」
 真白さんは不思議そうな顔をしたけれど、すぐに笑顔で言葉を継ぎ足した。
「かまわないわ、いつでも遊びに来てちょうだい。私もハナも涼さんも大歓迎よ」
 穏やかに笑う真白さんを見ていると、自分の心がほわりと包み込まれる気がした。
 お茶を一杯飲む間、ずっとハナちゃんの話を聞いていた。
 カップの底が見える頃、私はすっかりリラックスした状態にあった。
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