光のもとでⅠ
「クリーニングの請求はうちに回してください。クリーニングが済んだジャケットは秋斗さんのおうちに届けていただけませんか?」
「……それでいいの?」
「はい、お願いします」
「……よろしければメッセージも承れますが?」
 高崎さんはカウンターの中から小さなメッセージカードを取り出した。
 一瞬躊躇したけれど、言葉は添えるべきだと思った。
「ありがとうございます」
 私はそのメッセージカードに、「ありがとうございました。翠葉」とだけ書いて、高崎さんに預けた。
< 7,115 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop