光のもとでⅠ
 ダイニングへ行くと夕飯の準備が整っていた。
 テーブルには湯気のあがる丼とほうれん草のお浸しなどが並ぶ。
 丼の中身はおうどんだった。
 きっと、私がお昼も食べられなかったと知っているから。
 だから、このメニューなのだろう。
「お母さん、唯兄。それから栞さんも……。心配をかけててごめんなさい。今ね、悩みごとがあって、自分でもよくわからない行動をしていたりするの。でもね、まずはちゃんと自分で考えたくて……」
「蒼樹から聞いたわ」
 言葉に詰まるとお母さんにそう言われた。
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