光のもとでⅠ
「ほかは?」
「ほか……?」
「体調的なアレコレ。俺、今日、昼に電話してあからさまにごまかされたんだけど?」
「あ、ごめん……。あの場にツカサがいて、あまり聞かれたくなかったの」
「なるほど。……で?」
「ごめんなさい……お弁当食べられなかった。胃の調子、やっぱり戻ってなくて」
「それだけーー?」
「……スミマセン。胃が痛くて五限は保健室にいました……。でも、お薬飲んだら少し楽になったから大丈夫」
「へー? それで誰にも連絡せずにひとりで病院行ったんだー? ふーん。あー、そう」
 秋斗さんやツカサの抑揚ある話しぶりも怖いけれど、唯兄の全く抑揚のない単調すぎる話し方も怖いと思った。
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