光のもとでⅠ
唯兄はにこりと笑って警備室前に設置されたゲートを指差す。
それはまるで、駅の改札口にあるゲートのように見えた。
「まずはIDカードを翳して……」
唯兄は首からぶらさげていたカードケースを翳した。
唯兄のカードには顔写真と所属部署、名前などが記載されている。
私のIDカードには名前と番号のみの記載。
「あぁ、あとで顔写真撮るからね?」
「えっ!?」
「え、じゃなくて。ほら、リィもカード翳して」
唯兄は淡々と説明しながら歩みを進める。
屋内に入ると、唯兄はすれ違う人みんなに「おはようございます」と声をかけていた。
「出勤してきたときは『おはようございます』。上がるときは『お先に失礼します』。これ、社会人の常識らしいよ?」
どこか他人事のように話す。
それはまるで、駅の改札口にあるゲートのように見えた。
「まずはIDカードを翳して……」
唯兄は首からぶらさげていたカードケースを翳した。
唯兄のカードには顔写真と所属部署、名前などが記載されている。
私のIDカードには名前と番号のみの記載。
「あぁ、あとで顔写真撮るからね?」
「えっ!?」
「え、じゃなくて。ほら、リィもカード翳して」
唯兄は淡々と説明しながら歩みを進める。
屋内に入ると、唯兄はすれ違う人みんなに「おはようございます」と声をかけていた。
「出勤してきたときは『おはようございます』。上がるときは『お先に失礼します』。これ、社会人の常識らしいよ?」
どこか他人事のように話す。