光のもとでⅠ
 力んだら、その分声が大きくなってしまったのだ。
 近くにいた人はこちらを見てクスクスと笑いながら「お疲れ様です」と通り過ぎていく。
 恥ずかしくて顔が火照った。
 そんな私の隣で唯兄は、
「園田さん、タイミングよく現れすぎー」
「若槻くんは立派なお兄さんになっちゃったわね?」
「えー? 自分、いつでも仕事のできる男のつもりなんですが……」
「そういう意味じゃなくて……すごく幸せそう」
 園田さんはとても柔らかい笑みを浮かべた。
「あ~……幸せですよ。こーんなかわいい妹とできたあんちゃんに優しい両親」
 どこか茶化したような言い方をしたけど、最後に肩を竦めて照れたような表情になる。
「家族って、いいですね」
「そうね」
 園田さんは私に向き直る。
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